第6話

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「夜寝ると……こうなるから、あまり眠れない。お前を抱いた後はぐっすり眠れるんだがな……」 「もしかして……それで毎晩僕のことを抱くの…?」 宗佑が小さく頷く。 洸太は吃驚して言葉を失った。 「ね、眠れないなら薬とか飲めばいいんじゃないの?」 「睡眠薬を飲むと余計に悪夢が酷くなる。思い出したくないことをどんどん思い出して……気が狂いそうになる」 初めて宗佑が自分の弱い部分を洸太に晒している。 悪夢にうなされたくない。 だから息子を抱く……洸太にとっては理不尽な理由だ。 「どんな…………悪夢なの?」 「お前はその悪夢を知っているだろう?」 僕の知る悪夢? それは一つしかない。 血の繋がった父親に毎晩犯されていることだ………。 「俺は……子供の頃から家を出るまで、父親と姉にずっと性的に虐待をされていた」 「え……?おじいちゃんと…叔母さんに?」 何故洸太にこんな話をしているのだろう。 今まで誰にも話したことがないのに。 驚いた顔をする洸太は、あの頃の俺だ。 いや、あの頃の俺の方が………もっと悲惨な状況だったに違いない。 「夜寝るとそれが始まるから……俺は眠るのが嫌いだった。あいつらは……毎晩俺をいたぶって……笑いながら……」 宗佑が頭を抱える。 口に出して昔のことを話そうとすると、当時の記憶が鮮明に蘇り、息が苦しくなる。
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