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秋斗の家に招き入れられると、洸太はすぐにバスルームに通された。
しっかり温まってくるように言われ、熱いシャワーを浴びる。
アキちゃんの家でシャワーを使わせてもらってるなんて、変な気分。
このボディソープ使ったら、アキちゃんと同じ香りになるんだな……。
洸太がシャワーを浴びている間、秋斗はお湯を沸かして紅茶を淹れる。
会社で貰った焼き菓子を用意して、洸太が上がって来るのを待っていた。
豪雨の中をとぼとぼと歩いているのが洸太だと気付いた時は、本当に吃驚した。
今日退院してきた洸太が、何故雨に打たれながら歩いているのだろうと疑問だったが、それよりも洸太がまた熱を出すのではということの方が問題だ。
強引に家に連れ帰ってしまったが……洸太は大丈夫だろうか。
話があると言ったのは本当だ。
もう一度、きちんと告白したかったし何故駄目と言ったのか理由も知りたい。
洸太は答えてくれるだろうか………。
「アキちゃん、シャワーありがと」
「やっぱり着替え大きかったな。ハルの中学の頃の服なんだけど……」
「春斗は中学の頃から大きかったもん」
だぼだぼの袖を捲りあげながら、洸太は苦笑している。大きめの洋服が、洸太を更に華奢で可憐に見せていた。
「洸太、こっちで温かいお茶飲もう」
「うん。美味しそう……」
洸太はにこりと笑うと、ソファの秋斗の隣に腰掛けた。
ふわりと紅茶のいい香りがして、気分が癒される。アキちゃんの家はいつ来ても落ち着くなと思いながら、紅茶を一口飲んだ。
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