第6話

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「昨日の……怪我は大丈夫?」 「あ、うん。別に怪我はしてなかったし、入院なんて大袈裟だったんだよ」 「そうか……。心配で堪らなかったよ」 「ごめんね。いつも心配かけて」 良かった。 アキちゃんと普通に喋れてる。 告白の件は無かったことにしてくれているのかな……? 「昨日のさ、俺の告白の件なんだけど……」 あ、無かったことにはなってないか。 そりゃそうだよね……。 アキちゃんは軽い気持ちであんなこと言うような人じゃないもの。 「洸太は俺の事、嫌いか?」 「好きだよ……。嫌いなわけないじゃない」 「じゃあ………どうして駄目なんだ?」 それは……。 「僕じゃ、アキちゃんには相応しくないから」 「相応しくないって何?俺は洸太がいいんだよ。ずっと……ずっと前から好きだったんだ」 アキちゃん、真剣な顔だ。 そこまで想ってもらえて嬉しい……。 でも、僕にそんな価値なんかないんだ。 「アキちゃん……アキちゃんは僕のこと、誤解してる。僕は……汚いんだ。僕なんかと関わったらアキちゃんが汚れちゃうよ」 自分で言ったくせに涙が出そうだ。 でも、はっきり言わないとアキちゃんは諦めてくれなさそうだ。 「汚いって何がだよ。洸太は……いつだって綺麗じゃないか」 「綺麗じゃないもん。僕は……僕の体は……綺麗なままじゃないんだよ……」 堪えていた涙が瞳からぽろぽろと零れた。 できれば言いたくなかった。 狡いけれど、秋斗の心の中では自分は綺麗なままでいたかった。
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