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「昨日の……怪我は大丈夫?」
「あ、うん。別に怪我はしてなかったし、入院なんて大袈裟だったんだよ」
「そうか……。心配で堪らなかったよ」
「ごめんね。いつも心配かけて」
良かった。
アキちゃんと普通に喋れてる。
告白の件は無かったことにしてくれているのかな……?
「昨日のさ、俺の告白の件なんだけど……」
あ、無かったことにはなってないか。
そりゃそうだよね……。
アキちゃんは軽い気持ちであんなこと言うような人じゃないもの。
「洸太は俺の事、嫌いか?」
「好きだよ……。嫌いなわけないじゃない」
「じゃあ………どうして駄目なんだ?」
それは……。
「僕じゃ、アキちゃんには相応しくないから」
「相応しくないって何?俺は洸太がいいんだよ。ずっと……ずっと前から好きだったんだ」
アキちゃん、真剣な顔だ。
そこまで想ってもらえて嬉しい……。
でも、僕にそんな価値なんかないんだ。
「アキちゃん……アキちゃんは僕のこと、誤解してる。僕は……汚いんだ。僕なんかと関わったらアキちゃんが汚れちゃうよ」
自分で言ったくせに涙が出そうだ。
でも、はっきり言わないとアキちゃんは諦めてくれなさそうだ。
「汚いって何がだよ。洸太は……いつだって綺麗じゃないか」
「綺麗じゃないもん。僕は……僕の体は……綺麗なままじゃないんだよ……」
堪えていた涙が瞳からぽろぽろと零れた。
できれば言いたくなかった。
狡いけれど、秋斗の心の中では自分は綺麗なままでいたかった。
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