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春斗に頑張れよと言われた洸太だったが、いざ今日それをすると思うと、今から恥ずかしくて堪らない。
アキちゃんの裸なんて、見たこともないもんな………。
秋斗は脱いだらどんな体なのだろう。
そんなことを考えた自分が恥ずかしくて、洸太は慌てて首を振って淫らな妄想を吹き飛ばそうとした。
「洸太、どうかした?」
「どうもしない!大丈夫!」
顔を覗き込んできた秋斗に、洸太は何でもないと急いで答えた。
「そう?じゃあ、そろそろ帰ろうか」
「うん」
洸太は元気よく頷くと、秋斗と一緒に校門を出た。
振り返って校舎を見上げる。
ここに通っているあいだに、本当に色々なことがあった。
いいことばかりではなかったけれど、ちゃんといい思い出もある。
無事に高校を卒業できて良かった。
それもこれも、アキちゃんと春斗が僕を支えてくれたから……。
「洸太、行くよ」
「うん!今行く!」
お父さんにも卒業したって言いに行こう。
何の事か分からないかもしれないけれど……。無事に卒業できたって、叔母さんにもお父さんにも言わなくちゃ。
卒業のお祝いにと、秋斗はホテルのディナーを予約してくれていた。
秋斗から事前に簡単にテーブルマナーは教わっていたが、初めての高級な店内に戸惑ってしまって洸太は料理を味わうどころではなかった。
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