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熱で朦朧とする頭でも、これから何をされるのか容易に想像がつく。
少しでも早く終わるといいなと思いながら洸太はぎゅっと目を閉じた。
熱い。
どこが熱いのかわからない。
体の中なのか、外なのか。
熱があったんだっけ……。
いや、今痛くて熱いのは執拗に鞭で打たれたお尻な気がする。
冷たいリビングの床に横たわったまま、指一本さえも動かせないほど洸太は消耗していた。
一体今は何時なのか。
宗佑の責めがいつ終わったのかも分からない。
裸でこんなところで寝ていたら、熱だけでは済まないことになるかもしれない。
洸太は気合を入れ、ずるずると這ってリビングの隣にある物置部屋に向かった。
物置部屋には予備の布団が仕舞ってある。
棚から布団を引っ張り出すと、洸太は裸の体に巻き付けた。
神様はやっぱり意地悪だな。
アキちゃんに家で看病してもらうなんてご褒美があったかと思えば、こうして酷い罰も用意されてる。
これが現実だ。
でも幸せな時間を味わえただけ、今日はまだいい日だったのかもしれない。
「明日の朝、アキちゃんに会ったらお礼言わなきゃな……」
ぼろぼろになっても、朝になれば秋斗に会える。布団を巻き付けた状態で、洸太は目を閉じた。
僕はまだ大丈夫。
明日になればアキちゃんに会えるんだから…。
物置部屋の片隅で、洸太は小さく丸まって眠った。
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