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恐れていた瞬間
ずっと先延ばしにしていたこの瞬間が遂に来てしまった。もう後戻りは出来ない。覚悟を決めて固く目を閉じた。
キスが唇から逸れて顎へ首へと移って行くのを感じ身体が震えた。
自分の手が彼の動きを止めそうになるのを必死で我慢した。もう覚悟を決めたんだから……
いつの間にかブラウスのボタンが外されていてデコルテに熱い吐息を感じた。多分あと少し、そう思った時だった。
「どうしたの、これ…」
彼の指が私の胸の真ん中辺りで止まった。戸惑ったような声。恐れていた瞬間だった。
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