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壁を飛び越えて
脳裏には過去に投げつけられた心無い言葉が再生され、目の奥にジワジワと熱が迫る。ダメだ、泣かないって決めていたのに。
頭の奥にこびり付いたように何度も甦る友だちの声。
『何それ、キモチワルイ』
『変なの』
『かわいそう』
彼女たちに悪気があったとは思わないけど、そのストレートな言葉は私の心に突き刺さったままだ。
『なんかゴメン。俺、ちょっと今日はムリだわ』
大学生の頃に唯一付き合った男性は、事に及ぶ前に逃げて行った。あれで良かったんだ。そんな男に身を委ねなくて良かった。
もう恋愛なんて懲り懲り。そう思っていたはずなのに……
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