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突然鳴り響いた激しいスネアドラムとヘビーなギターの音に、一瞬「なになに!? なにごと?」と脳内が大慌てした。
……ああ、目覚ましか。起きなきゃ。
ベッドからテケテケみたいな動きで上半身を伸ばし、床の上のリモコンを拾い上げる。コンポに向けて停止ボタンを押してから、今度はクーラーのスイッチを入れた。
朝なのにもう暑い。夏だから当たり前か。でも毎年夏が来るたびに、今年は猛暑なのかしら、と思うから不思議。
いつもはここから体が勝手にベッドに戻って二度寝してしまうけれど、今日は無事そのまま抜け出せた。テーブルの上のタバコに手を伸ばし、目覚めの一服。
ハイスタンダードのニューアルバム『MAKING THE ROAD』は昨日買ったばかりだ。さっそくアラームにしてみたら、期待通りなかなか強烈な朝を提供してくれた。今日は絶対に寝坊できなかったから、ハイスタ様様だ。
タバコの煙を吐き出しながらテレビを付けたら、朝の報道番組の天気予報が流れていた。
「今年は猛暑ですね。今日も日差しが強いので、水分は十分に……」
あら、本当に猛暑だ。異常気象かしら。世界が終わるというのも、あながち嘘ではないのかも。
とは言っても、世の中はいたって平和だ。日常を崩壊させるような大事件もない。
あまりに平和過ぎて、AIBOなんていうロボットが誕生したくらい。でも、わたしは犬のペットなんかよりも、今日の一限からのテストを代わりに受けてくれる人型ロボットが欲しい。
犬といえば、なんだかわたしは貴哉先輩の犬みたいだ。会うたびにぺろぺろぺろぺろ。そうしてご褒美に一万円をもらう。バカみたい。
テレビの横の写真立てに向かって、思いきり煙を吐いた。こんなものいつまでも飾っているわたし、本当にバカみたい。
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