実は・・・

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実は・・・

 過去世未来との距離は縮まった、彼女は本が好き、哲学の本をよく読む、昔は理解できなかったが、今はなんとなく分かる。  彼女を知れば知るほど、初恋の人との共通点を見つけてしまう。そしてこの前、彼女と何処かの子供がぶつかったとき、子供は後にこけてしりもちをついた。 「ごめんなさい、怪我無い?」  そう言って手を差し出す、あの日の光景と重ねずにはいられなかった。同級生の少女、過去世・未来は、あの人の年離れの妹などではないだろうか、そんなことを考えていると、あっという間に放課後、気がつけば未来と話しをするようになってから、半年がたって、中庭は落ち葉でぎっしり秋になっていた。 「過去世、何してるんだ?」  未来は誰もいない廊下にはいつくばって、翡翠のほうの目をおさえ、何かを探している。 「その、コンタクトレンズを落としてしまって」  コンタクトレンズをつけていたとは知らなかったが、颯も一緒になって探した。そして見つけたのは 「これ、カラーコンタクト?」  それは翠のカラーコンタクトだった 「過去世これか?」  大急ぎで振り向いた彼女の瞳は、両眼とも琥珀色だった、彼女は色を見られたことに気付き、顔を両手でおおう 「お前、能無じゃなかったのか?」  未来は泣き出してしまい、颯もどうすればいいのか分からない。するとそこへ 「やれやれ、過去世さんを校長室まで連れて行ってもらえるかな?」 「日比谷先生?!」  なぜ、保健室などではなく、校長室なのかは分からないが、とりあえず連れて行く。
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