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君が笑ってくれるなら
——時々、思ってしまう。
君が僕以外の誰かと楽しそうにしているのを見るたびに、僕はどうしようもなく胸の奥が痛くなるから。
君が僕のいないところで泣いていたのだと知るたびに、僕はこの手を伸ばさずにはいられなくなるから。
——僕が君の視界を塞いでしまえれば、どんなにいいだろうか、と。
視界を奪われた君が僕に尋ねる。
「君は、誰?」と。
そしたら、僕はその耳元で優しく答えてあげる。
「——」と。
——君が笑ってくれるなら、僕はこの嘘をつき続けるよ。
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