3.進展がありそうでして

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おおう、褒められてしまった…!照れる!! えへへーとニヤけていると、その人だかりから抜け出てきた男の子に目が行った。 「げっ!!!」 「あら。例の彼」 昨日の今日でまさか遭遇するとは思わないじゃん…!! しかも何故か凜ちゃんが一緒にいる。 二人は親しそうに笑い、話し、買ったものを指さしながら話している。 ああやってみると普通の高校生だな…。 「で?彼らこっちに来るけどいいの?」 「何もよくないです逃げる!!!」 布屋さんに行くにはスポーツショップ前通過は不可避。 来た道戻るしかない!と判断し踵を返そうとして、まさかの凜ちゃんと目が合ってしまって。 パッと笑顔になる凜ちゃん。その笑顔一生推せる!!!!って違う!! 「唯ちゃーん!」 「ひえ。」 「流石我が弟ね」 いや関心してないでよ美由紀さん?! ブンブンと手を振ってくる凜ちゃんを無視することはできず。あはは~…と笑って手を振り返すと当然こちらに気付く谷崎くん。 くっ…終わった…。いやでも今日は美由紀もいるし凜ちゃんもいるから大丈夫か…。 「唯ちゃんこの間ぶり!」 「こ、この間ぶり…!」 「アンタ、姉に対しては何もないわけ?」 姉貴とは家で会うだろー。と頬を膨らませる凜ちゃん。 クッソ可愛いな推しだこれはもう推す。 そんな中、ジッと注がれる痛い視線。その先はもちろん谷崎くんだ。 「凜、知り合いなのか」 「ああ。こっち姉貴。こっちは姉貴の友達の唯ちゃんな!」 「へぇ。」 …痛いです視線がやめてこっちガン見しないで。 目を合わせないのに精いっぱいな私に気付いたのか、美由紀が会話をつなぐ。 「こんにちは。凜のお友達?」 「この間の試合で仲良くなった!俺と同じ3年!」 「谷崎です。凜にはお世話になってます。」 こちらこそ。と会釈する美由紀。 お、お姉さま感強すぎる…!!これが大人の余裕か?!!(同い年) 「姉貴と唯ちゃん、これから帰るとこ?」 「布買ってからね。アンタも帰るの?帰るならこれ、スーパーで買って先帰って」 「げぇ。それ今朝母さんに姉貴が頼まれた奴じゃん…」 買い物メモらしきものを押し付け、押し返しをし始めてしまった二人。 そしてそれに目を向けることなく、何か言いたげにこちらを見つめてくる谷崎くん。なにこれ。 「り、凜ちゃんと仲いいんだね…」 「ああ。」 絞りだした会話が一言で終了。からの無表情。だから何この状況…!?
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