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「唯先輩、帰るの」
「?!!」
せん……先輩?!!!
突然の先輩呼びに思わず二度見してしまった。
加えて内心ちょっとだけときめいてしまったことにも驚く。
「どっち」
「か、帰るけどもうちょっといるというか…」
美由紀の付き添いだから。と続けた。
するとふぅん。と呟いて、またこちらを見てくる。
いや、どういう感情なの??ロボットなの??心ある…??
買い出しの押し付け合いに収拾がついたのか、凜ちゃんがこちらに歩み寄ってきた。
「ごめん慧。姉貴に買い物押し付けられたからここで解散で」
「ああ。わかった。飯はまた今度な」
「すまん…ついでに姉貴の荷物持ちになったから、もう行くわ。」
…ん?美由紀の荷物持ち??
バッと美由紀を見ると、にっこりと笑みを浮かべて「凜に荷物持ち頼むから、唯は谷崎くんに送ってもらって?」と告げられうっすら冷や汗をかく。
さっき言ったよね?!!!関わりたくない旨伝えましたよねぇ?!!!
置いていかないでと目で伝えるも、頑張れと口パクで言われて無事終了のお知らせ。
くっそ今度のイベントの時新刊あげないからな!!!無賃バイトさすからな!!!!!
「じゃあ唯ちゃん、気を付けて帰ってね。慧も!また遊ぼうな!」
「またな」
「またね…」
最後にキラキラスマイルを振りまいて美由紀と共に去っていった凜ちゃん。
そして、残された二人。
「送る」
ですよねそうなりますよね…!!!
掴まれそうになった手を慌てて引いて距離を置く。
「い、いいから!一人で帰れる!!」
そう告げると、少し間が空いてから近づいてくる影。
流石に嫌な態度すぎた…?!
目のやり場がなくて俯くと、目の前にしゃがみこんでこちらを見上げてくる谷崎くん。
「送らせて。じゃないと俺帰れない。」
「っ!!!!!」
こ、これは…長身イケメンのしゃがみこみからの上目遣い+イケメンボイス…!!!!
新しいゲームやアニメに軽い気持ちで手を付けたのに、案の定推しキャラ候補による突然のイベントスチルに全心が奪われ沼に引き釣りこまれるあの感覚……!!!
「…?返事は?」
「……ひゃい」
これはもう…推しなのでは…??
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