3.進展がありそうでして

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そろっとスマホを手に取り、画面を付けると映し出される送り主の名前とメッセージ。 『【谷崎】今日放課後、大学の門前で待ってる』 「なっ…?!!」 行動めちゃくちゃ早いな!!!! 一瞬驚いて、そしてすぐ我に返って思う。 放課後…?大学の門前……?!!待て待て待て…!! この間困るって言いましたよね?!!わかってくれたんじゃなかったの?!! 慌ててメッセージアプリを開いて返信する。 『やめてください困ります。』 用件のみ、とり急いで送る。 数秒後に揺れるスマホ。そこには一言 『なんで?』 「~~~っ!!!」 机を叩きたくなる衝動を抑える。 だから…!この間言ったじゃん!!!! 『この間言いました。とにかく困るのでやめてください』 『ムリ』 ムリって何ムリって?!!! おのれイケメンなら何やっても許されると思ってんのか…?!!! 『ムリじゃないですほんとに怒ります』 半ば意地になってそれだけ送ると、先程までの即レスが止まった。 …納得した? 急なスピードダウンに、むしろ恐怖的な感情でドキドキしていると、 少し間をおいてまた返信が。 『じゃあどこなら待ってていい?』 --数時間後。 「唯先輩」 「……。」 結局根負けして、放課後。 根負けしたとはいえ、大学付近は嫌だったので駅から家へ行く道で待ち合わせた。 …というか、この人、わざわざこっちに来るの何のメリットもないのでは? 図書室でメッセージのやりとりを終えて美由紀を見たら笑っていて、聞けば私が百面相していたのが面白かったとかで。 元々連絡先を教えた美由紀のせい!と反抗すると、笑いながらも「まあとりあえずさ。彼もだけど唯も彼のこと知らないから嫌なだけなんじゃない?」と言われ、放課後折角だから色々話してくること。とも言われてしまった訳で。 色々話すと言ってもなぁ…。 何か話すべきかと、ちらりと、隣の人を見るとスマホで何か調べているようだったので話しかけるのを止めた。 わざわざ手を止めさせるのも何か嫌だし。とにかく後で今後は止めるようお願いしないと。 そう思ってまた前を向こうとした時だった。
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