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翌日。
約束の時間に美由紀と集合し、電車で30分ほど離れた高校にやってきた。
凜ちゃんの高校とは別のところで、主催校なだけあって大きい体育館がある。
「すご…こんな大きい高校あったんだね」
「結構名門らしいよー。特にスポーツの成績が優秀だとか。」
ほらあれ。と美由紀が指さす先には大きな大会へ出場を決めた部活動の名前が書かれた垂れ幕。
中には今日の本星、バスケットボール部もあった。
「なんかもう怖いね……。」
「慣れよ慣れ。別に取って食われるわけじゃないんだから」
「流石…」
美由紀は凜ちゃんの応援や手伝いに時々行くらしく、慣れているのだそう。
凜ちゃんの高校もバスケつよいもんなぁ。ちょっと前に一回見に行ったことがあるけど、結構上位に食い込んでいた。
「一旦凜のとこ行ってもいい?忘れ物していったから」
「うん!久しぶりに凜ちゃんの顔も見たいし!」
美由紀に連れられて体育館のギャラリー席に入る。
転々と人が固まって座っていて、高校ごとに場所をとっているのが分かった。
ざっと見5校程いて、ここに居ない主催校を含めると6校だろうか。
コートも二面あり、かなり大きい。
「中もすご…」
「結構綺麗ね。いいとこ見つけたらどんどん撮っておきなよ?」
「うん!」
カメラを取り出し、とりあえず一枚。
少し歩いてギャラリーの一角に場所をとる高校に近づいた。
「凜」
「んー?あ!姉貴!」
大勢の中から一人、駆け寄る男の子。
「ほら、飲み物とタオル。あと手袋。」
「さんきゅ!カバンに入れたと思ってたんだけど忘れてた」
「ばっちりリビングに置きっぱなしだったわよ」
へへへーと無邪気に笑うのは凜ちゃん。
身長こそ私や美由紀より大きいものの、the好青年と言わんばかりの出で立ちをしている。高校3年生で副キャプテンを務めているらしい。
「凜ちゃん久しぶり!」
「唯ちゃん!応援来てくれたの?!」
キラキラした笑顔。
ま、まぶしい…!おばちゃんには耐え難い輝き……!!
クールビューティーな美由紀とは対照の輝かしさを持つ凜ちゃん。恐ろしい姉弟…!
「うん、そんな感じ。頑張ってね!」
「サンキュ!唯ちゃん見てるなら、頑張らないとなー!」
くっ!!マジで何なんだこの光属性男子…!恐ろしい!!
年々輝きを増していく凜ちゃんに目がチカチカする感覚に陥っていると、ぽんっと美由紀に頭をたたかれた。
「慣れて」
「いや、厳しさあるけど?!」
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