2.お早い再開でして

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もう数歩で学校外、というところで後ろから掴まれた腕をぐんっ!と引かれて後ろに倒れそうになる。 …と、思ったらぽすんと背中に感じる熱と硬さ。 「なんで逃げんの」 後ろにいるのはそう、イケメン様。 顔こそは見えないけれど声とそのトーンで不機嫌なのが伝わってくる。 いやいやいや逃げるなって言われても普通逃げるよね?!! 「な、なにか、御用でしょうか…?」 「用がなかったらわざわざ来ないでしょ」 「でしょうね…」 走ったのか、後ろから聞こえる息と心音が早い。 そして……周りの視線がめちゃくちゃ痛い!!!! そりゃあね?!!地味な女とイケメン(しかも高校の制服着用)が一緒に居ればね!!!!目立つでしょうよ!!!! 本気で一刻も早くここを離れなければ…!! 「あの、とりあえず一旦、手離してもらっていいですかね…?」 「無理」 はい????てか即答???? 「なんで…」 「離したら逃げるでしょ?」 バレた…!!あわよくば逃げようとしていたのがあっさりと!! 「っと、とにかく!外に…」 「待ってよ谷崎くぅん!」 手を引っ込めようとした時に、彼の後方からパタパタと駆け寄ってくる女子たち。恐らくさっきまで彼を囲んでいた人たちだろう。 谷崎…?この人の名前…? そういえば聞いていなかったな、なんて思っている場合じゃないな!!やっぱりこうなったな!!! 「なに?しつこい」 「えーそんなこと言わないでよぅ!大学案内してあげるから!」 「そうそう!急に走って行っちゃうんだもん!」 はぁ。とため息をつく谷崎くん(仮)。 ため息つきたいのはこっちなんですけど…? というか、そこまで大学案内したいんならそっちで良いよね。うん。私は帰りたい。 グッと掴まれた腕を外そうとして引いてみるも、全く離してくれる気がないのか、強く掴まれたまま。 「何で逃げるの」 「逃げるとかじゃなくて…忙しいから帰りたいの!離して!」 全く納得いきません。と顔面に張り付けたかのような表情でこちらを見る谷崎くん。 そうこうしている内に、さっきの女子たちが近づいてきていて。 「え、誰?」 「もしかしてさっき探してるって言ってた人?」 「マジ…?」
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