2.お早い再開でして

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こんなのを?と 口にこそ出していないけれど、遠回しに言われている気がして嫌になる。 こういう目がほんとに苦手で堪らない。 向こうに他意があってもなくても、苦手だ。 向けられる視線に体が固まって、動けずにいると何を思ったのか私の腕を引いて、ギュッと抱き込む。 ………抱き、込む????? 「唯。」 「っ!!」 突然名前を呼ばれて、息をのむ。 心地いい低音が耳から脳に響く感覚。 「一緒に帰りたい。いいよね」 いいよねって、拒否権無いんじゃん…。 返事をする間もなく谷崎君に手を引かれ、裏門を出たのだった。 * 「ね…もう、離して」 しばらく歩いたところで足を止めた。 この人が何を考えているのか本気でわからない。 何をしに今日大学に来たのか、なんで私に用があるのか、全く分からない。 私に合わせて止まる谷崎くん。でも引かれる手は一向に離れない。 何なんだこの人……今日は帰って作業しないといけないのに…。 「貴方が何をしに来たのかとか、全然わからないし、私今日早く帰らないといけないから。もう離してください。」 精一杯の文句というか、何というか。 とにかく言いたいことをまず伝える。 何か悩むような素振りを見せて、私の顔を覗き込んでくる。 「何か、会いたかったから」 「……はい?」 あ、会いたかったから…?私に…?? 「アンタ、変な感じするから。何か気になって。」 「変な感じ…?!!」 そう。と頷かれてしまい、思わず呆気にとられる。 本気で何を考えてるのかよくわからないこの人…!!!
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