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雪とご飯
俺、美月雄輔。専門学校を卒業後、有名なモデル事務所に滑り込みで入ることができた。しかーし、スタイリストになりたいのに、契約社員の雑用枠しか空いてなかった。正社員じゃない!でも本場で学べるし、就職できて嬉しいからもういい!
だけど、嫌なことがあった。それは、同じ学校で学科の違う餅月もちゃっかり入社してた!しかも…正社員とか!ずるい。ずるすぎる。
「雄輔はいつになったらスタイリストになれるわけ?」
なーんて、嫌味を言われる。ここのスタイリスト、旭川さんはベテランだから、俺はこっそりその仕事を見て盗もうと日々奮闘しているのだ。旭川さんは次の撮影で着る服を合わせたり、並べたりしてる。
「まーた、雄輔来てるよ」
げげ。メイクされてる雪に見つかった。そして、メイク室のみんなに注目される。うわーメイクしてる餅月もこっち見たし!
「堂々と見ればよくない?ねー旭川さん」
だから嫌なんだ!餅月は嫌な言い方する。
「そうよねぇ。美月くんもかわいくメイクしてあげよーか?」
「いいです。もう、休憩終わるし」
メイクの田中さんにもいじられた。餅月と一緒になっていじってくるし嫌なんだよな。あーあ、ずっと見たいのに。仕方ないから部屋を出た。
「雄輔、なにすねてんのよ」
続いて雪も出てきた。メイク終わったんだなぁ。今日は、春色のトレンチコートを着てる。雪は身長高いから、ロング丈も軽々着こなす。
「…その服、いいね」
「そう?あんたもコーディネートとかできるの?」
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