雪とご飯

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雪のいじわる。俺はちゃんと勉強してるのに。 「できるよ!…まぁ、まだまだだけど」 「ふーん。ほら、撮影はじまるよ」 「うん」 急いで道具の準備を始める。 モデル、内雪(うちゆき)のいる撮影班に俺はいる。カメラマン長山(ながやま)班ということだけどね。雪は、雑用の俺をなにかと気遣ってくれる。それは、体調崩しやすいからなのかな? 北海道から出てきて、東京の専門学校に入って…めちゃ熱出て、またモデル事務所入って、めちゃ熱出て。それは、年に何回かある。俺はなんてひ弱! 仕事に無理して出ていたら、雪に気がつかれて、優しくされているという状況だ。年上だし、雪さんと呼ぶのが普通だが、雪でいいと言うのでそう呼んでる。 「美月くん、これ持って」 「はい」 レフ板持ったり、小道具出したり。それから、たまーに服とか髪とか乱れたらお直し。でも、それも雑用。悲しい。 はーあ、今日も雑用だけで終わっちゃう。 「雄輔、あんたぼーっとしてたでしょ」 撮影終わりに片付けてたら、雪に話しかけられた。 「えーうん」 さすが雪だ。ばればれ。 「ごはん食べてるの?ちょっと顔見せて」 立ち上がって、雪を見上げる。身長高いよなぁ。雪はほっぺたをびーっと引っ張った。 「うーつまむなよー」
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