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白いドレスに身を包んだみっちゃんは、幸せそうに微笑んでいた。
さんさんと輝く日射しの下、太陽よりも眩しい笑顔を浮かべて、みっちゃんが歩いてくる。
誰がどう見たって、世界中の誰よりも綺麗な女の子は、みっちゃんだ。
オレは、誇らしい気持ちでそう思う。
それに、世界でいちばん幸せな女の子も、みっちゃんだ。
清らかな鐘の音が、澄んだ空気を震わせる。夏の風が、色とりどりの花びらを巻き込んで、ふわりと空へ舞い上がる。
その時、はっと表情をとめて、みっちゃんが、オレの座る場所を見つめた。
オレは、その目をじっと見つめ返す。一瞬だけ、泣き出しそうに、みっちゃんの瞳がうるむ。
「行こう、みっちゃん」
優しげな声に、みっちゃんが頷く。
手を取り合って、二人が歩き出す。その目に、もう涙はなかった。
みっちゃん。
歩み去る後ろ姿に、オレは呼び掛ける。
オレは、いつでも、きみを見守っているよ。
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