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「劉輝サーン、大変ナ事ニ成ッテシマイマシタネ」
「おおおおっと、また来たな!」
「ハーイ、ワターシハ、イツモアナタヲ注意深ク見守ッテマース」
「そんなに関心があるのか?」
「アナータハ貴重ナ人材デースカラ」
「はあ、それはありがとう、と礼を言えばいいのかな?」
「礼ニハ及ビマッセーン。タダノ個人的ナ興味ナノデ」
「で、ご用は?」
「ソロソロ私達ノ組織ニ入リマセンカ?」
「つまり、日の本から逃げろと?」
「ソウデースネ。コノママデハアナタノ命ガ危険デース」
「そっちの国なら安全なのか?」
「オオ、スルドイ質問デースネ。サスガ、劉輝サーン。少シ先デースガ多クノ国ヲ捲キ込ンダ戦争ガ始マリマース」
「お前たちが仕込んだ?」
「ソーデース。各国ノナショナリズムヲ煽ッテ、生贄トナル国ヲ孤立化サ、自暴自棄ニサセテイクノデース」
「自国が一番。他国は二番。我が国は正しく、他国は間違い。我々は世界の安寧と秩序を守り、他国は世界平和を脅かす危険な存在……」
「戦ウ限リハ勝ツマデ闘ウ。ト言ウ指導者バカリデスカラネ。コレデハ自国ノ民ガ全滅シテモオカシクハナイデースネ」
「国民の命を自分のモノのように扱う。思い上がった、いや、頭のおかしい指導者が多いから困る」
「カツテ、アナタハ言ッテマーシタネ。戦争ハ国民ガ始メルノデハナイ。指導者ガ始メルノダ、ト」
「そうだ、国民は誰も戦争なんか望まない。仮に望む者がいたとしても、それは政府に扇動された狂信的な人間だ」
「ソーデースネ。子ドモヤ御夫人ノ方々ハ特に戦争ナンテ望ンデナイデショウネ」
「それでも、お前たちは戦争を起こす気なのだな?」
「自然ノ摂理ノヨウナモノデス」
「そんな奴らの仲間にはなれぬ!」
「ウーン、困リマシタネ。ヨーク考エテミテクダサイ。アナタハコノママデハ殺サレマース」
「世界から戦争を無くすことも、その組織で出来るのか?」
「ドウデショウカ? アナタノ素晴ラシイオ考エヲキカセテイタダケルナラ」
「少し、前向きに考えてみるか……」
「オ待チシテオリマースデス」
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