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「ワハハ! ワハハ! 笑いが止まらん。ワハハワハハ」
「お、お代官様、大丈夫でございますか?」
「おお、劉輝か。良いところに来た。ワハハハハハのハ。わしは大丈夫じゃ。大丈夫じゃないのは鷲鷹藩の兎乱芙じゃ! これが笑わずにおられようか!」
「何かあったのでございますか?」
「きゃつが、コロリに罹りおった」
「誠でございますか?」
「詳細は分からぬが、側近や側室から感染したようじゃ」
「かの藩は次の殿を選ぶ、選挙、とやらを実施するのではありませんでしたか?」
「大いに影響が出そうじゃな。あ奴が失脚すれば、諸々の問題も一発解決じゃ!」
「子分の邪藩なども大騒ぎじゃないですか?」
「ワハハ。そうじゃな! それにしても、わしの嫌いな藩が次々混乱していきおるわい」
「我が藩に有利な風が吹いて参りましたな」
「もしや、おぬしが裏で糸を曳いておるとか?」
「いえ、滅相もございません」
「そうか? それは残念じゃ。して、ここへ参ったのは、例の食糧危機問題の解決策が出来あがったのか?」
「下書き程度でございますが、一度お代官様にお伺いを立てようかと、お持ちいたしました」
「ほう、随分慎重じゃの」
「はい。かなり大がかりな財政出動となりますから。他藩から食料を調達する計画でございますので」
「なるほど。食料の買い占めを行うつもりか? どうせならドカンと買い占めよ。そして他藩を大いに混乱させてしまえ。コロリ禍、兎乱芙混乱、そして食料市場の大混乱! もう世の中は混沌の奈落へ堕ちていくじゃろうな」
「そしてその先は、我が宙華藩の圧倒的な繁栄が!」
「素晴らしい! その線で進めて参れ!」
「ははあ」
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