一目惚れ

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 この時点で初めて、私は初めて気づいた。  私は彼に恋をしている、と。  遅すぎると思われるかもしれないけれど、だって、最初に言ったじゃないか。  私は一目惚れが理解できない、と。  だからたぶん、彼が好きだということを、心のどこかで否定し続けていたんだと思う。  よく知りもしない彼を好きになったということを、認めたくなかったんだ。  ふと彼を目で追ったり、そのくせ気づかれたくなくて、話せそうなのに避けるような仕草をしてしまったりとか、そんなわかりやすいことをしていたのにね。  朝、駅で私を見つけてくれた時のように。  私の姿は、まだ君の目に映えていますか。  これはきっと愚問だろう。だって私は、君の中で印象的になれるようなことが、何一つとしてできなかった。  だから、わずかな運と未来の私の勇気に、一縷の望みをかけて願う。    4月になったら今度こそもう一度、君と話ができますように。
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