last future

7/8
181人が本棚に入れています
本棚に追加
/102ページ
「ごめ…泣くなんて思って…なくて…」 「大丈夫、かわいい」 頬を流れる涙にキスを落として。 コツンっと額を当てる。 「…ゔー」 「なぜ唸る?」 「余裕なの…ムカつく」 イヤ、全然余裕じゃないけど。 内心舞い上がってるし、さっき頬をつねられたけど、まだ半分くらい夢なんじゃないかとも思っていて。 なんか、すっごい感情が混ざって、グルグルはしてる。 けど、一葉が泣いてくれるから。 「勝手に一葉が代わりに泣いてくれてるのかなって」 「代わりになんて泣いてない」 「そうだけど」 そこはそんな強気にならなくていいと思うんだが。 離れて指で涙を拭う。 「一葉、今日は泊まっていって」 「え、っと…」 「何もしない、離したくない」 「言ってること矛盾してる」 「誓って何もしないから。ただ今日はまだ一緒にいたいだけ」 俺の理性がどうとか、そんなこと押し込めるくらい嬉しすぎて、今はただ隣にいてくれるだけでいい。 ここのところ会えなかったことも相まって、いてくれることに幸せを感じる。 「ダメ?」 もう一度涙を拭って聞けば、小さく首を横に振る。 「ありがとう」 「そこでお礼言われるんだ」 「一葉には全て感謝しかないよ」 そう、全て。 一葉はわからずにキョトンとしてるけど。 わからなくていいんだよ。
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!