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「えー、本日付で配属になった風神一葉くんだ。みんな、よろしく頼むな」
そこにいたのは、かなり暗い印象の女性。
暗い?地味?
イヤ、制服だからホントの格好はわからないけど、なんて言うか雰囲気?
誰かに話しかけられることを拒否してるような。
「あー、秋葉くん、ちょっと」
「はい?」
え?俺?
「…教育係…」
ボソッと同僚が小さくつぶやく。
マジか。
でも、確かこのヒトどっかの支社から来たんだよな?
いらなくね?
「一ヶ月、教育係よろしく」
「一ヶ月!?」
期間の長さにビックリだわ。
「風神一葉です、よろしくお願いします」
さっきは関係ないと思って聞き流してたけど、その名前って確か中学の同級と同じ名前。
あんまりない名字だから、一度覚えたら忘れられない。
それに…淡い恋心を抱いた相手、だった。
「秋葉です、よろしく」
きっと、俺のことは知らない。
あの頃の風神はかなり人気者で、俺にとったら高嶺の花だった。
クラスが一緒になったことはあるけど、平凡な俺に気づくことはなかっただろう。
しかし…
あの頃の輝いてた風神はいったいどこへ?
同一人物か?
疑わしく思えるほどの変わりよう。
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