future.1

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「えー、本日付で配属になった風神(かぜかみ)一葉(かずは)くんだ。みんな、よろしく頼むな」 そこにいたのは、かなり暗い印象の女性。 暗い?地味? イヤ、制服だからホントの格好はわからないけど、なんて言うか雰囲気? 誰かに話しかけられることを拒否してるような。 「あー、秋葉(あきは)くん、ちょっと」 「はい?」 え?俺? 「…教育係…」 ボソッと同僚が小さくつぶやく。 マジか。 でも、確かこのヒトどっかの支社から来たんだよな? いらなくね? 「一ヶ月、教育係よろしく」 「一ヶ月!?」 期間の長さにビックリだわ。 「風神一葉です、よろしくお願いします」 さっきは関係ないと思って聞き流してたけど、その名前って確か中学の同級と同じ名前。 あんまりない名字だから、一度覚えたら忘れられない。 それに…淡い恋心を抱いた相手、だった。 「秋葉です、よろしく」 きっと、俺のことは知らない。 あの頃の風神はかなり人気者で、俺にとったら高嶺の花だった。 クラスが一緒になったことはあるけど、平凡な俺に気づくことはなかっただろう。 しかし… あの頃の輝いてた風神はいったいどこへ? 同一人物か? 疑わしく思えるほどの変わりよう。
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