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それはほんの一瞬。
それでも
実誓の温もりは確かに感じた。
唇を離して向かい合えば、真っ赤な顔で実誓が騒ぎ出す。
「な、な、なっ!何するんですか!?」
「だから、キスだって」
「何…何でっ!?あぁ、もう!場所とか、何か、色々もっと、考えないんですか!?だからっ、厄介なんです、ナナ先生は!」
「煩いなぁ、もう」
俺は握っていた実誓の左手をまた引く。
頭の後ろに手を回して、顔を引き寄せる。
額と額をくっ付ける。
「ちょっ…!ナナ先…!!「本当、好きなんだ。それじゃダメか?」」
鼻先がかする程の距離で、実誓にそう言った。
観念した様に実誓が黙る。
そのまま、距離を詰めていく。
もうすぐ、唇が重なるだろう。

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