第1話 欲望のままに

2/40
前へ
/649ページ
次へ
そう言えば、大抵のヤローはビビって離れて行ってくれる。 極たまに、その気になって触ってくる奴には、キツい一発をくれてやればいい。 さっきとは打って変わって、ゴミでも見るみたいな嫌悪な表情を浮かべてさ、 「あっ、でも顔が好みじゃないから無理っ。きみ相手じゃ勃ちそうにないし、掘られるのも御免だなァ」 はいっ、これで終了っと。 まっ、稀に殴られたりする事もあるけど、面倒な人間関係に巻き込まれるよりはマシさ。 でも、そいつの反応は違ってた。 「じゃ、友達からって事で」 そう言って、無邪気な笑顔で握手を求めてきたんだ。 予想外な展開で、俺は混乱しちまって、気付いたらその手を握り返していた。 それが俺と木暮(こぐれ) 梛音(なおと)という人物との出会いだった。
/649ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加