epilogue 2 禁断の実

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梛音が憐のイク顔をこんな風にじっくりと見たのは、憐を抱いた夜以来の事だった。いつも自分の方が先に意識を失くしていたからだ。  自分の身体で誰かを気持ち良くさせる事が、こんなにも自分を幸福で満たされた気持ちにさせるなんて、今まで知らなかった。 僕たちがセックスをした処で、決して生命など作り出せないのは、百も承知だ。そうだとしても、ただの傷の舐め合いなのだとしても、僕は憐と出会えて今、互いに求め合ってセックス出来る事が、この上なく幸せだ。 もう一度人生をやり直したとしても、又憐と出会う為に僕は同じ様に生きる事を選ぶだろう。そしてそれはきっと憐も同じだ。  「梛音〜お前イッてないだろう?何が一緒にイこうな、だ。この嘘つきめ‼︎」  「そんなの、今始まった事じゃないだろ?」 「ちぇっ、開き直りやがって」 「憐…僕もいつか親になれるのかな?」 「ああ、慣れるさ。きっと甘々な親バカになるだろうさ」 「そうかな?…だといいな」  二人は将来の幸福な姿を想像しながら、互いに抱きしめ合って眠りについた。それはきっと楽しい楽しい夢。たくさん傷ついて来た二人にしか作り出せない、優しい優しい未来の姿だ。
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