25人が本棚に入れています
本棚に追加
モックじいさんと彼を乗せた雲は、西の空へ向かうあいだ、ひと言も口をききませんでした。ケンカをしたわけではありません。これまで見てきた三つの雲の言うことを、頭の中でくり返し考えていたからです。
そして今度も簡単に雲たちを見つけることができました。
なぜなら、西の空で赤く燃える太陽が、雲たちを半分、茜色に染めていたからです。影になった部分は、深い海をそのまま切り取ったように、濃い青色で塗りつぶされていました。
モックじいさんは雲たちの中ほどに進み出ました。
最初のコメントを投稿しよう!