西の空のさびしんぼう

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西の空の雲たちは、ほかのどの空にいた雲たちとも違って、ゆったりぷかぷかと漂っていました。雲たちは沈みゆく太陽をさみしそうに見送っているようです。 モックじいさんは誰にあてるでもなく語りかけました。 「どうして、どうしてなんだ。なぜおまえたちはお互いに笑いあうでもなく、喜びあうでもなく、ただ空から地上のものたちばかり気にかける」
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