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すると、その男性は小首を傾げ星矢の顔を覗き込むように、その深い知性を帯びた瞳で見つめ返す。
面食らった星矢が、言葉を詰まらせながら再び疑念をぶつけた。
「だ、だから、ほ、本当に犬と喋れるのって聞いたの?
それとも、おじさん昔、何かドッグトレーナーとか、犬に関わるような仕事に就いてたの?」
一瞬、間が空くも、その男性は、訝しげな表情を崩すことなく逆に星矢に質問をしてきた。
「可笑しな質問をするね、君は。犬と会話ができるのかって?
それじゃあ、逆に質問するけど、『君たち』は犬や他の動物たちと会話はできないのかね?会話したことはないのかい?」
至極当然といったその表情からは、傲りや睥睨のような感情は微塵も感じられない。
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