44人が本棚に入れています
本棚に追加
「寧々ちゃん、ここでバイトしてたんだ」
「うん、土日だけ」
「俺さ、この近くに引っ越して来たから多分ちょくちょく来るよ。コンビニのスイーツが好きなんだ」
買ったものを見るとシュークリームにプリン、どら焼きなど甘いものばかりだ。これだけ食べても太らないのは何故なんだろう。私は1週間に1度くらいしかスイーツは食べない。それもダイエット前の話だ。
「太らなくていいな。私が食べたら豚みたいになっちゃう」
「女の子は少しポッチャリしている方が可愛いよ」
剛也くんはそう言ってにっこり笑った。でも私は痩せたい。せめて45キロくらいになりたい。そうすればあだ名もなくなるだろう。後5キロ、食事制限をするしかないのだろうか。
剛也くんが帰った後、中野さんが「今の子、友達?カッコいい子じゃない」と言ってきた。
「うん、同じクラスの同級生」
「そう、私が後10年若かったらな。確実に付き合いを申し込んでたよ」
「中野さんは今でも細くて綺麗だよ。それに比べて私なんかダメ。ああ、痩せたいな」
「寧々ちゃんくらいが丁度いいんだよ」
そうだろうか。服のサイズだってMがようやく入るくらいギリギリだし、後1センチ太ったらLサイズだろう。着たい服も買えなくなる可能性がある。中野さんは明らかに40キロ代だ。身長も低いから当然かもしれないが、顎のラインもシャープだしウエストはキュッとくびれている。そして何よりお腹が凹んでいる。
最初のコメントを投稿しよう!