「リンゴは甘いと誰が言った」

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「リンゴは甘いと誰が言った」

「指見せて」 「ハイ?」 「いいから指!」 「あ、ああどうぞ……」 「太いわね」。 「大きなおせ……」 「ペン回し出来る?」 「ペン?いやあんまりやった事……」 「これくらい出来ないの?」 「き、器用だな。俺より手小さそうなのに……」 「あたし指太くないから」 「でもそれペンと言っても……」 「気付いた?そ、スタイラスペンね」 「なんでスタイラス?」 「これなら……」 「ちょ!いきなり人の手を何?!」 「動くと怪我するよ?」 「なんで怪我するの?」 「こうするから!」 トントントントン、トントントントン…… 「ちょ」 「動かないで……」 トントントトントトントントン…… 「あの…………」 「なによ!」 トトントトントントトトントン!! 「ちょっと怖いんだけど……」 「大丈夫でしょ?ペン先ゴムだし」 「いやそれはそうだろうけど……」 ドンドンドンドン、ドンドンドドン! 「なんで握り直した!……」 「だって鉛筆握りじゃ指疲れるから」 ドドドド、ズドドド、ドドドドド! 「怖い怖い、その握り怖いよ!!」 「何?彼女のすること信じられない訳?」 「いやそういう訳じゃないんだけどその……」 「ありがとう。ちょっとやな事有ったから憂さ晴らししたかったんだよね」 「そ、それは……」 「あたしを彼女にしてくれてありがとうね。大好きだよ!」 「そ、それは何よりで……」 「うれしい!!あたし張り切っちゃう!!」 ドドドド!ドドドド!ドドスカドン!!
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