小鬼の兄弟とまんじゅう

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  「よーし、今日の勝負はオイラの勝ち!」  おりました、おりました。悪戯小鬼で双子の兄弟、ライとソラです。  ライは黄色のパンツを履いた体の赤い小鬼で、ソラは同じく黄色のパンツを履いた体の青い小鬼です。  鬼の子で、年齢は人間の数百倍は生きているのでしょうが、見た目は五歳くらいの男の子の身長程しかありません。三尺四寸(約百センチ)を超えた所でしょうか。  今、声を張り上げたのは兄のライです。ライは雷を司る鬼で、太鼓を叩いて近くの村に雷を落としておりました。弟のソラは空を司る鬼で、天気を自在に操る事ができました。  しかし子供なので、二人とも術の使い方がとっても下手。  ライが太鼓を叩けば自分が感電したり、鬼神様に雷を直撃させて頭皮を禿げさせて大目玉を喰らったり、失敗して怒られることがしょっちゅうでした。  ソラも同様で、術を使って雨にしようと思えば晴れるし、晴れにしようと思えば雪が降ったりするため、術の稽古が二匹の日課でした。
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