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「開戦のタイミングは簡単だ。俺たちが先に突っこむ。それだけだ」
「ほんとに簡単っすね」
「糞でも分かる戦争の捻り出し方」
「う、うるせぇぞぬいぐるみども」
案の定がやがやと騒ぐ二頭身のメルヘンたち。マトモに対応してたら追いつかない。なし崩し的に続ける。
「手筈は一週間前に伝えたとおりだ。行くぞ!!」
俺を筆頭にみんなが並ぶ。俺は``顕現``の技能球を片手に、行くべき場所を強く、強く、強く念じた。
待ってろ親父。今そっちに行って、テメェの顔面をボッコボコの滅多打ちにしてやる。
俺の身体を弄んだ恨み、自分の欲望のために家族を裏切った恨み、俺や久三男の人生を滅茶苦茶にしてくれた恨み、そして初めてできた友達、木萩澪華を殺した恨み。
今まで抱いてた全てを、テメェにぶつけてやる。それまで頬杖ついて精々踏ん反り返ってやがれ。
俺は一歩を踏み出した。技能球が一層輝きを増す。もうすぐ転移だ。場所は戦場。俺が当主になって初めての``戦争``が今、始まる―――。
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