たとえそれがどんな罪だとしても、僕は君を

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 そうなると、未だ昨夜の余韻を色濃く残す身体の疼きは更に増し、知らず腰が動いた。  右手はテレーズのものに添わせながら、彼を求める自分の秘所を慰めようと、左手を後ろに伸ばす。  その左手の手首をテレーズに掴まれた。  欲求が満たされない不満に、ハツキは口からテレーズを放した。  全身が熱い。刺激を求めてアナルはひくつき、息づかいも落ち着かない。  そんなハツキを見てテレーズは微笑むと、こちらの上体を起こさせて額に口づけ、そして抱き締めてきた。  それではまだ足りないと切なく息をつき、再度テレーズのペニスに手を伸ばす。  そのハツキの手も押さえながら、テレーズがハツキに囁いた。 「もう、俺の負け。おまえ、可愛すぎるよ」 「テレーズ……?」  問いかけたハツキの唇をテレーズが口づけで塞いだ。  そうされてしまうと、テレーズの舌の柔らかさに、自分の身体の中の昂ぶりに意識は掻き回され、どうしたらいいのか解らなくなる。  先のことなど一切考えられない。いつまでもこの感覚の中に浸っていたくなる。  すっかり弛緩しきったハツキの身体を抱き締め、テレーズが再度囁く。 「こんなことされたら、我慢なんて出来る訳ないだろ。おまえが欲しいよ。抱かせてくれよ」  懇願されるまでもないことだ。  相手が欲しいのは彼だけではない。自分もそうだ。  言葉で返すのももどかしく、ハツキはテレーズにすがりついたまま無言で頷いた。  ハツキの返事に、こちらの首筋を軽く噛んでテレーズも返してくる。  テレーズに腰を持って上げられ、ハツキは素直に彼に跨がった。  テレーズが左手を舐めて湿らせ、その手を滑らせてハツキの臀部の奥を探る。探り当てられた感覚に、ハツキは再びテレーズの首元にすがりついて、熱い息を吐き出した。 「まだ柔らかい。……このまま、いける?」  尋ねられてハツキはテレーズから顔を離して頷き、右手をテレーズの大きくなったペニスに添わせた。  テレーズに支えられた腰を、ゆっくりとその上に下ろす。  喩えようのない圧迫感を持ってテレーズが身の内に入ってくる。 「あ、……はあぁ……」  求めていたものが与えられた悦びに、満足感で熱っぽい吐息が漏れた。  彼の全て飲み込むと、ああ、なんて幸せなんだろうと、彼に抱かれる度に感じることが脳裏いっぱいに広がった。  彼以外何も欲しくない。彼のこと以外、何も考えたくない。  彼の手を離したくない。
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