たとえそれがどんな罪だとしても、僕は君を

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 ハツキはテレーズの首に腕を回し、彼の逞しい肩に顔をうずめた。  彼から与えられる快感を更に貪ろうと、自分から身体を動かす。湿った音を立てて体内を動くテレーズのペニスが、この一ヶ月の間に彼に暴かれた、自分では知ることのなかった感覚をもたらす場所に当たるよう腰を振った。  彼の大きな男根が内奥をこすり、快感が高まると、今以上のものが欲しくなって身体の動きが激しくなる。 「あっあっああああんんっ……!」  けれどそれだけでは、体内からせり上がる欲求にはとても足りない。  口からは声が溢れる。  ハツキはテレーズの肩から顔を上げると、彼に顔を近づけた。  テレーズもまた、ハツキが与えるものに男らしい美貌の眉根を寄せ、熱い息を吐いていた。  彼のその姿にも、支配欲とも独占欲ともつかない欲望が満足させられ、背筋をぞくぞくと走りゆくものを感じる。  ハツキの視線に気づいた彼に蕩けた表情で微笑みかけ、唇を重ねた。お互いに熱をもった舌を絡ませ、唾液をもすする。  彼が与えてくれるものならば、何でも欲しい。  ──罪など知らない。  今、この一瞬、この間だけは何もかもを捨て、彼だけで満たされていたい。 「テレーズ、好き。好きだよ……」  うわごとのように囁く。 「俺もだよ……。おまえ、本当に可愛い」 「ねえ……これだけじゃ足りないよ……! あ……ぁんっ……! もっと君でいっぱいにして……! 君だけにしてよ……!」  彼のものを抜き差しさせながら、キスを繰り返しながら、身体中全てを埋め尽くしてと、喘ぎ混じりに懇願する。  テレーズは眉間の皺を一層深くすると、ハツキの脚を持ち上げて押し倒し、ハツキの上に覆い被さってきた。今度はテレーズの方から噛みつくようにハツキの口を塞ぐ。それから唇を離すと絞り出すような声を出した。 「だから、おまえ可愛すぎるんだよ……! こんな姿、絶対誰にも見せるなよ……!」  テレーズに突き上げられ、ひぅっ……と、ハツキの口から悲鳴のような声が漏れる。  身体の最奥を突き刺される感覚に無我夢中になりながら、ハツキはテレーズの背に爪を立てた。 「見せるわけ、ない……!」  自分の全ても彼のものにされてしまいたい。誰にも、何にも縛られたくない。  ──世界が君だけであって欲しい。  それ以外、もう考えたくない。
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