17人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
テレビに映った雪をかぶった赤い鳥居。
その奥に交番の赤いランプが映り込む。
「どうやら、稲荷神社公園で間違いなさそうですね」
交番の看板には『稲荷神社公園前交番』と書かれていた。
一瞬でそれを確認した八雲は、リポーターの声に耳を傾ける。
『本日未明、茨城県内にあるこの公園内で、制服姿の女性の遺体が発見されました。遺体は身体の一部が切断されており、警察では身元の確認を急いでいます』
身元不明の切断遺体というショッキングなニュースに、花怜は息を飲む。
制服姿と言うことは、中学生か高校生だろうか?
「嫌な事件ですね」
花怜がそう呟いたとき、来客を知らせるインターホンが鳴った。
八雲が画面を確認すると、マンションのエントランスにスーツ姿の男性二人が映っている。
「どうやら、私も事件に呼ばれたようですねえ」
そう呟き、八雲はエントランスのキーを解除した。
スーツの二人組、眼鏡をかけている方の男が頭を下げる。
画面に映った彼の顔を確認した八雲が、来客を迎え入れるために玄関へとむかう。
程なくして、ドアホンが鳴った。
「どうぞ」
玄関先でする話ではないと察した八雲は、二人をリビングへと招き入れる。
眼鏡の男は、茨城県警捜査一課所属の刑事、鳴神恵愛。
もう一人は、鳴神の部下である刑事で若林と言う名前だと八雲は記憶していた。
最初のコメントを投稿しよう!