雪の四月朔日

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「早い時間にすみません。実は……」 「先程ニュースでやっていた事件のことでしょうか。稲荷神社公園で遺体が見つかったという」  口を開いた鳴神の言葉を八雲が遮る。  捜査一課の刑事がわざわざ足を運ぶのだから事件が絡んでいる筈と予想してのことだ。  鳴神はほんの少しだけ眉を寄せる。  困ったような表情になった。 「話してください。そのためにわざわざ私のところへ来たんでしょう?」  身元不明の少女。制服から学校は判明しているだろう。  彼女が誰なのか、それが判明するのも時間の問題だと思われる。 「稲荷神社公園で見つかったのは、県立桜南(おうなん)高等学校の制服を着た女性です。身分証の類いはなく、彼女が学生であるかはまだわかりません」  ニュースでも『制服姿の女性』という報道だった。  生徒である確認が取れていないからだろうか、と八雲が思っていると鳴神が話の続きを口にする。 「今から話す内容は、報道陣に規制しているので内密にしてください」  そう前置きをしてから、 「遺体の一部が切断されていました。稲荷神社公園の現場で見つかったのは胴体で、頭部、両方の手首から先、そして、両足の膝下が見つかっていません」  顔や歯形といった個人を特定する手がかりになる頭部。  そして、両手足が切断されていたという。 「公園内や公園周辺を捜索中ですが、まだ発見出来ていません」  若林が一言付け足した時、鳴神のスマートフォンに着信があった。
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