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「・・・よかった。里佳が、オレのこと好きになってくれて」
吐息を漏らしたキスの合間に、彼が私に囁いた。
「オレはずっと好きだから。里佳のこと」
約束のように語り掛けた彼は、後ろから私を抱きしめると、広く開いた鎖骨のラインに長い指を這わせていった。
滑る指の感触。
ビクリと震える私の耳に、直くんは何度も何度もキスをする。
「ん・・・」
舌先の動く、艶めかしい音が間近に響く。
私はぞくりとする感覚に耐え切れず、首をすくめて彼のキスに制止をかけた。
「や・・・直くん、耳、ダメ・・・」
「なんで?」
「なんでって・・・だって・・・」
身体が震え、上手く言葉が出てこない。
抵抗を試みる私の耳元で、ふっと笑う声がした。
「大丈夫だよ。弱いって、わかっててやってるから」
「!・・・んんっ・・・」
(私は、大丈夫じゃないよ・・・!)
止まらず繰り返されるキスに、何度も身体を震わせる。
耐え切れず漏れる自分の声に、私は頬を熱くした。
「・・・いつも言ってるだろ。抑えなくていいって」
「だ、だって・・・」
彼の指が、ドレスの胸元に触れていく。
その感触に身をよじると、彼は動きをピタリと止めた。
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