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「・・・面倒だな・・・。アイツは、聞いてもいないのにノロケ話とかしてくるタイプだ」
「ふふっ。じゃあ、しばらくは聞き役になるかもしれないですね」
その時、「コーヒーいかがですか?」と、ウェイトレスの女の子がおかわりを注ぎに来てくれたので、私たちは二人揃ってカップを差し出しお願いをする。
湯気を立てたカップから、おいしそうな香りが漂う。
二杯目のコーヒーを平然と飲み始めた直くんに、私は素朴な疑問を投げかけた。
「二日酔いとか、ないんですか?」
「ああ、ないな。今まで一度も。一日寝れば、元に戻る」
(そうなんだ・・・)
骨折の治りも早かったし、やっぱり、直くんて丈夫なのかも。
なんとなく、そのポイントに男らしさを感じる私。
(とはいえ・・・)
「でも、昨日は本当にすごく飲んでて・・・すごーく酔っぱらってたんですよ?
岡本さんと龍平くんが運んでくれたの、覚えてますか?」
私が尋ねると、直くんは「うーん」と唸りながら、額をかいて難しそうな顔をする。
「・・・いや。誰かが運んでくれたんだろうとは、なんとなく思ってたけど」
(ふふっ。やっぱり、覚えてないんだ)
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