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「顔とか真っ赤だったんですよ。ベッドに降ろされるなり、すぐにスースー言いながら眠っちゃって。
こんな直くんは最初で最後かなって、龍平くんたちと話してて」
彼が知らない彼の顔。
楽しげに話す私を見て、直くんは不機嫌そうにピクリと眉を動かした。
「でも・・・その後は、すぐにまた起きただろ?」
「え?」
「そこからは、ちゃんと全部覚えてるから。
里佳がずっと離れなくて・・・・。シャツを脱がせてくれたこととか」
「・・・・・・え!?」
(覚えてるの!?)
昨晩の記憶が、一瞬にして甦る。
いつもより強引だった彼の行動に、私はとてもドキドキしていた。
(完全に酔っ払ってて、いつもと違うと思ってたのに・・・)
まさか覚えているなんて。
さまざまな出来事を思い出した私は、急激な恥ずかしさに襲われた。
「・・・もちろん、シラフだったわけじゃないけど。
アルコール入れば、誰だって気が大きくなるだろ。オレも、里佳も」
反応を窺うように呟く彼に、私は「え?」と聞き返す。
すると彼はふっと微笑み、私に視線を絡ませた。
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