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12 ピース オブ ケイク(千早の秘密と、真夜中のキス)
「胸腔チューブを挿入するぞ。メス」
緊張感のある落ち着いた声でアキが言い、スタッフ全員が動き始める。
交通事故により外傷性気胸で運び込まれてきた二十代女性の顔は蒼白で、切り裂かれた衣服の間から覗く身体は血まみれだった。
アキは局所麻酔された第四肋間胸をディスポーザブルメスで二センチ、迷いなく切開した。佐々木は患部を正確に鉗子で開く。まるで体の中が透けて見えているかのように、するすると見事にチューブを挿入するアキを見て、看護師長の牧田はマスクの下で息を呑む。
十分に訓練を積まなければ難しいといわれるチューブの挿入や、正確なメスさばき、それに縫合の早さと美しさは、アキが優秀な外科医であり、また救急医であることを周囲にあっという間にしらしめた。井之頭センター部長の信頼も厚く、研修医を指導する立場である佐々木の負担は、アキのお蔭で著しく軽減していた。
「三嶋!お前なんか食いたいものあるか?もうな、お前のお蔭で楽させてもらってるからよー、なんでも好きなもん食わしてやるぞ」
「うーん。美味い鰻食べたいですね、こっちの鰻は蒸しだって聞いたんでぜひ食してみたいです」
「あっちは焼きだもんな。どっちも美味いけど、おれはやっぱ蒸しのが好きだね~」
無事にオペを終えて、汚れた術衣を脱いでランドリーボックスに放り込む。1年に1回買い換えるGショックは午後7時5分前を指していて、このまま終われば無事勤務時間終了、夜勤チームと交代だ。
「でも今日は無理です、先約があって」
「あれだろ、産科の永井と麻酔の広海と飲みに行くんだろ?不人気職場そろいぶみだな、過労医師同士、飲み過ぎて寝たりすんなよ」
「それが驚くべきことに…小児の水谷先生もいるんです。偶然飲みに誘われていくだけなのに、天の采配としか思えない組み合わせでしょ?」
「最強チームじゃねえか!ちなみに広海は結構絡み酒だから、途中から焼酎の水割りのかわりに水のましとけ。どうせわかんねえし」
「広海先生、あんなに紳士然としてるのにそうなんですか。意外だなあ」
「あいつの趣味はSMクラブ通いだよ。いうなれば変態紳士だ。本物の紳士が泣いて怒るってもんだぜ。ちなみにMのほうな。そういやお前に踏まれてみたいとか恍惚としながら語ってたから、酔っぱらった頃に八つ当たりしてやれ、喜ぶぞ」
ゲラゲラと笑う佐々木に、アキはあからさまに溜息をついた。
「水谷先生は技術もあるし、小児科医だけあって志もたかい、いい先生なんですが。飲むと泣きながら理想を語るという悪癖があって。まあそれも面白いんですけど」
個性豊かな医師の面々と飲みに行けることが増えて、アキは内心喜んでいた。元々友人が少ない方で、一人好きで積極的な努力もしないため、誘ってくれるのは大変ありがたい。
「いい顔するようになったな。その調子だ」
まるで出来の悪い弟を見守る兄のような顔で、佐々木が言った。
「なんですか、それ」
「よく笑うようになったって意味だよ。三嶋、お前は別に頑張らなくていい。いつも通り仕事してニコニコしてりゃ、それだけで人は寄ってくる」
嬉しいが、気恥ずかしさもある。アキは顔を背けながら時計をつけかえた。遊びに行くときだけつけるパテックフィリップの腕時計は、親しかった大学教授から譲り受けた年代物だ。
「お疲れさまです」と言って逃げるように更衣室を後にした。
「三嶋先生って、想像と違うなあ」
もう一軒いくぞ、とアキの腕を掴んで高架下の焼き鳥屋に連れ込んだ水谷は、酔いの回った赤い顔で嬉しそうにそういった。
「どういう想像だよ」
「そうだな、もっと拒絶的というか…孤高の人なのかと思ってた。たまにカンファ覗かせてもらうんだけど、指摘の厳しさハンパないし」
笑いを含んだまるい声で水谷が言って、肩が触れ合うほど狭い店の中で首を竦める。190センチ近くある大きな身体は、元ラガーマンで現在も趣味で続けているというだけあって、小さな店ではひどく窮屈そうに見えた。
「狭量なのかなあ。勉強不足を誤魔化そうとしてるのが透けて見えると、指摘せずにはいられないんだよ。おれたちにとっては複数の患者だけど、患者にとっては命は一つしかない。そこらへんを忘れてんじゃないかって。一人ひとりに死力を尽くしてしかるべきでしょう?特に、知識なんて調べれば手に入るんだから。手技が未熟なのは仕方ないとしてもさ」
「言ってることは分かるけどさー。でもま、みんなが三嶋先生のレベルじゃないからね」
水谷は、この空間にアキがいることを不思議に思いながら言った。
「ここまでやったぞ、っていうラインはひとそれぞれだから」
よいどれ横丁と名付けられた、由記市駅の高架下にある狭い店の集まりの中だった。薄汚れた店の中には中年男性のグループばかりで、目元を薄赤くそめて長い睫毛を伏せているアキは、まるで荒野に咲いた一輪の百合のようだ。水谷は大真面目にそう思ったあと、一人で頷いた。
理知的な黒い双眸が水谷をとらえ、納得ができないというように逸らされる。真っ白な首筋と、カウンターに投げ出された白い手。なるほどこれは、確かに男性医師の間でも「一対一で飲みに行くのはやめたほうがいい、道を踏み外しそうになるぞ」と噂されているだけのことはある。実際、救急搬送されてきて無事ICUから一般病棟に移った患者は、ほとんど全員が三嶋に会えなくなることを残念がるのだという。
「そういや三嶋先生に言ってないことがあるんだけど」
「うん?」
アキはマッチを取出し、タバコに火をつけたところだった。すでにタバコの煙で真っ白になっている店内に、新たな煙を作り出しながら振り返ると、クマのような外見をした水谷が、いたずらっぽく笑った。
「おれ兵庫出身やねん。三嶋先生も関西やろ?」
驚いて、タバコを灰皿に置く。一呼吸おいてから、「なんで?」と返すと、「イントネーションが違うから」と水谷が笑った。
「まさか由記市で関西出身者に会うとは。おれは大阪やから兵庫やない。あ、『神戸出身』っていわんってことは、あれか。芦屋とかそのへん?」
「大正解。自分で言うのもなんだけど、深窓の令息だよ」
「深窓のクマの間違いやな」
アキが笑いながら言う。
「なんで標準語つかってんのさ?」
「うーん、方言があると指示が分かりにくいかなって。そっちはなんでまたこんな遠くに?」
お互いに郷里の言葉と標準語を混ぜながら会話する。水谷は大きな身体をのそのそと揺らしてから、「家の呪縛ってやつを断ち切ろうかと思って」と言った。
「おれの家は、代々医者でね。儲かって仕方ない整形外科ってやつで、金持ちの年寄り御用達の病院だったんだ。だから正直お金に困ったことがなかった。コート買うっていえば十数万くれるような家だったからね」
羨ましいな、とアキは言った。半分本音で、半分は嘘だった。
「息子はおれひとりで、姉が二人。父さんも母さんも、おれが病院を継ぐものとばかり思ってたみたいだね。散々甘やかされて育ったよ。大学は神奈川だったんだけど、東京で遊びたいってだけでこっち選んだのに何も反対されなくてね。学費はもちろん、2LDKのマンションに二十万の小遣いつき」
「ええなあ、お金持ちで」
「そうやろ?」
おっとりと微笑んだのは一瞬のことで、水谷はすぐに少し悲しそうな顔をしてみせた。
「いっそずっと、バカなボンボンのままでいればよかったんだけどね。研修医として小児科にいたときは、『こんなキツくて、割に合わなくて、辛いところだけは絶対にいやだー!』って思ってたはずだったのに、僕は気づいたら小児科医になってる。他の科は全く考えなかった。どうしてだと思う?」
焼き鳥を水谷の取り皿に置いてやりながら、アキは微笑んだ。
「必要とされたかった、つまり、家族以外に?」
「正解。三嶋先生はきれいなだけでなく賢い。女性なら嫁にもらうところだよ」
ビールのおかわりと枝豆の追加を注文して、くすぶっていたタバコの火を消した。彼が裕福な家の育ちだと気づかなかったのは、水谷の身なりはいつもシンプルで、清貧ともいえるぐらいぜいたく品が一つもなかったからだ。
「研修医として小児科医になったとき、僕は愕然とした。ここには絶対的に人が足りてない、それなのにどうして医師は来ないんだろうって思った。眼科医や歯科医や皮膚科医はたくさんいるのに、どうして小児科医はいないんだって。でもしばらくいればわかった。辛いんだ、すごく。子供達が毎日苦しんで、痛みに耐えて、それなのに泣き言一つ言わず、少しずつ弱って亡くなっていくのを見るのは、本当につらいんだ。保護者の方は他にあたるところがないから、医者や看護師にあたる、嘆く、問い詰める。治せる病気ならいいけど…うちの病院に入院する小児は、大けがだったり難しい病気だったりすることが多いから」
でもな、と水谷は目を細める。
「この場所では確かに必要とされてるって、僕は思えるんだな。何故だろう…。子供達を見ていると、僕は身体の中からものすごくエネルギーが湧いてくる。病気と戦うエネルギーが。そして思うんだ。僕は誰かを助けているようで、助けられている。生まれてから今まで、こんなに強く誰かにとって必要な人間になったことはなかったし、誰かを助けたいと思ったことは無かった。必要とされるということは、認められるってことだろう?居場所を与えられて、そこで思う存分頑張っていいんだって。それは、本当に幸福なことだと思う」
この病院はやっぱりいいな、とアキは思った。水谷の言っている内容は、そのままアキが日々感じていることだったのだ。
「よくわかるよ。水谷先生は、やっぱりええ先生やなあ。小児科医はええ先生多いけど」
「まあな。三嶋先生こそ、どうして医者に?」
もしかしてこれがききたくて、二軒目に連れ出したのかな。そう思いながら、二本目のタバコに火をつける。緩慢な動きで煙を吐き出すアキに、水谷は肘をついて笑いながら、急かすことはしなかった。
「なんでそんなことを?」
「眼だね。三嶋先生の眼は、いつも…なんていうのかな、覚悟があるなと思って」
「覚悟?」
「うん。患者のためならルールを無視してでも死力を尽くす、そのことで咎を受けても構わない。そういう危うい眼をしているなと思って。余程の動機がなければ、そういう覚悟は生まれないだろう?」
「動機か。確かにあるんだけど。――秘密だな」
「はあ?!」
「秘密だよ。口に出したら、そのときの気持ちが薄れてしまう」
「僕ひとりで熱く語ってしもて、ハズカシイやん!」
「本当に心に決めたことは、誰にもいわへんもんやろ」
妖艶ともとれる笑みを浮かべて、自分のくわえていたタバコを水谷の口に咥えさせる。目を丸くしたあと、彼はにやりと笑ってもらいタバコを頂戴した。
「やれやれ。これ以上しゃべんなって?それに何やこれ、オッサンが吸うたばこやんか」
「洋モクなんか臭くて吸うてられるか。男は黙ってキャスターマイルドやろ」
ビールを焼酎お湯割りに変えようとすると、「腹が冷えるんか?」とからかわれる。尊敬できる同僚と親密になれたことが嬉しくて、夜の十一時過ぎまで飲み続けた。
一日に数度しか見ない携帯電話を取り出すと、千早から着信があった。
駅の前で同僚と別れてから、アキは以前一度行った事がある駅前のコーヒーショップでホットコーヒーを購入し、ロータリーの前のベンチに座って飲む。それから、発信ボタンを押して耳にあてた。
『ゴホッゴホッ、もしもし』
ツーコールほどで電話に出た千早は、掠れた声をしていた。風邪でもひいたのかな、と思ったアキが、「今大丈夫か、どうしたん?」と問いかけると、『…ちょっとまってね』とかえってきて、ガサガサとどこかへ移動しているような物音が聞こえた。
『はい、ごめんね。大丈夫だよ。ゴホッ、いや実はさ、しばらく店に立てないんだよね。その連絡をしようかと思って。ほら、おれに会いにきたのにいなかったらガックリきちゃうだろ?』
「風邪か?ちゃんと病院には行ったんか」
『いちいち病院なんかいかないよ。きらいだし。風邪ひいてさ、熱は大体下がったんだけど、せきだけずっと止まらないんだよね。客商売だからマスクしてても咳しながらカウンターに立てないし、参ってるよ』
そう言ってから、いっそうはげしく咳き込む。
「何かいるものは?家で寝てるんやんな?体温は、熱が出てたのはどれぐらいの期間?」
『問診するのやめてくれる?ゴホッ…あー、でもポカリとのど飴持ってきてくれたらうれしい。あと咳がひどくて眠れないから、睡眠薬とか』
「ポカリとのど飴はいいけど、睡眠薬はな…。市販の物しかもっていけないぞ」
『ええーっ、そこは医者の力でロヒプノールあたり無理なの?』
「無理。診てもないやつのために処方箋かけるわけないだろ、医師法に反する」
『そっか。まあそうだよな』
「他のヤツもっていくのは構わないけど、近くにいるひとには頼めなかったの?ちょっと待ってもらうことになるけど」
『おれが休んでるせいですごく負担かけてるから、そこまではね。身内は入院してるし…ともだちに頼むってのも気を使うだろ』
「こういう時こそおれを利用しなきゃ」
『そう、だから頼むのさ。ごめん。アキ。よろしく』
電話を切ってからすぐ、電車の運行状況を確かめる。ダメならタクシーで行こうとおもったが、幸いまだ運行していたので、駅の高架下にあるコンビニエンスストアに入り、頼まれたものとマスクを複数購入した。それから、携帯のインターネット検索でこの時間に空いている薬局はないか探したが、一つも見当たらなかったので、苛立ちながらも急いで自宅に帰、。
(確か、市販の睡眠薬は家にあったはず…あと予備の聴診器も)
自宅は駅からほぼ直結といっていいほどに近いマンションなので、走って往復すれば電車に間に合った。ついでに冷蔵庫にいれてあったOS‐1(経口補水液)、ペンライト、医療用体温計もバッグに詰め込んで、発車寸前の電車に飛び乗った。
浅草にある彼の店舗兼住居に到着する頃には、日付が変わっていた。
店の入り口横にある階段を上り、ドアベルを鳴らす。駅からも走ってきたので、息が上がっていた。
「ごめん、ゴホッ、ありがと」
「悪いけどマスクさせてもらってる。患者さんにうつされへんから。お邪魔します」
開かれたドアから顔をのぞかせた千早は、ほんのりと赤い顔をしていた。
(熱が下がった、っていうのは嘘やな)
部屋の中に上り込み、ベッドに横にならせてからOS‐1を飲ませる。長めの黒髪からみえる切れ長の眼が、アキを見て安心したのかゆるく笑んでいた。
「さて。まずはいくつか質問させてもらう。熱はいつから?」
部屋をざっと見回すと、脱いだ服や溜まった洗濯物などで相当散らかっていた。寝室の中も同じで、何度か着替えたのか、脱いだままの形でジャージやトレーナーが落ちている。
(これは、一週間以上は病床やな…)
「んーと…3日ぐらいまえ、かな」
「嘘はいらん。包み隠さず正直に話せ」
眉を寄せ、睨み付ける。居丈高な物言いとアキの怒った顔は、美しい分迫力があった。
「うわあ、大岡越前かよ…。熱がではじめたのは、二週間ぐらいまえ。三日ぐらいで下がったんだけど…今は咳だけ残ってる」
「周囲に、同じような症状が出てる人はいなかったか」
「いや…特には。ただ都内の電車はどれも人がいっぱいだし、一週間に何度か乗ってるからそこでうつされたかもしれないけど」
「咳が出始めてから、入院してるっていうじいさんには会いに行ってないよな?」
「行ってない。うつしたりしたら大変だから」
「よし」
持ってきたバッグの中から、聴診器とペンライト、それに使い捨ての舌圧子を取出す。布団の中で横になっていた千早に、上半身だけ起こすように指示して、自分の着てきたカシミアのカーディガンを肩にかけてやった。
「おれは内科医とか、呼吸気科医やないから、できたら明日病院には行ってな」
「大丈夫だいじょうぶ。そんな、大げさだって」
「口あけて」
ペンライトで照らしながら、口腔内を眺める。確かに喉ははれていたが、咽頭炎や扁桃腺が腫れているというわけではないように見えた。
「音を聞くから、上着をあげてくれる?」
「あーい」
息を吸って…止めて、吐いて。指示しながら、アキは丁寧にその音に耳を傾ける。聴診器での診察は意味のないことをしているように思われがちだが、肺炎などでは重要な判断基準になる。例えば肺炎にかかっている場合、特徴的な「プツプツ」という音が聞こえることが多い。
症状的には肺炎や気管支炎が疑わしい。そう踏んでいたが、わずかに異音がするものの、肺炎と判断するにはやや弱い。
(胸部X線取れば一発で分かるんやけど…アレかな)
服を元に戻させ、顎の下や首のリンパ節を触診し終わってから、アキが立ち上がり、言った。
「ちょっと電話がかけたい。横になってて」
「わかった。…ごめんね、タダでみてもらって」
「うまいこと利用してくれたほうが、こっちは助かる」
部屋から出て、リビングのソファに腰掛け、さっき別れたばかりの水谷に電話をかける。三コールほどで彼は電話口に出てきた。
『おっ、三嶋先生、どうしたん』
「悪いな、もう寝てた?」
『いんや。ちょっと読まなきゃいけない論文があったんで、英語に四苦八苦してたところさ』
「あはは。英語とドイツ語、フランス語やったら協力できるから、いつでもきいて。あのさ、実はこういう症状が出てて…」
千早の症状や所見を、手短に伝える。ふんふん、と聞いていた水谷が、『あくまで聞いた所見の範囲だけど』と前置きしてから病名を述べた。
「やっぱり、そうやんな?」
『できたら、近所の救急外来にいったほうがいいよ。その様子じゃ食事を取れない、眠れないわけだろ。大分弱ってるみたいだし。X線とれば一発で分かるしね』
「わかった。ありがとう。確かクスリはマクロライド系がきいたよな」
『その通り。人手がいるならそっちに行くけど?』
「ええよ、そんな。ありがとう、切るわ」
『なんかあったらいつでも言うてな』
想像していた通りの診断名に、アキは胸をなでおろす。小児科でもナンバー2の水谷が言うのならば、間違いない。
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