第七話

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琴吹「……まだ起きてる?」 涼「ん? うん。起きてるよー」 琴吹「その……さっきの……詩方君なんだけど……」 涼「詩方くんがどうしたのー?」 琴吹「いや、そこまで大したことじゃないんだけど……。彼、何者なの……? ……あぁ、いや。何者って言うと大袈裟か。草薙所長から、前もって凄い子だとは聞いてたけど、凄すぎでしょ。なんで見ただけでセキュリティの種類が分かるのよ。それに、構成まで作れるって……」 涼「……。……むふふ。凄いでしょ、彼」 琴吹「見た目的に言えばヒューマンかしら? 角も翼もないし、耳も尻尾もない。腰から刀下げてたから、自身の身体に収納する能力がないと思うから、アボスじゃないだろうし。それに……、……いや、あの種族はすでに絶滅したって噂も流れてるし、目の色も……」 涼「琴吹さん?」 琴吹「……ともかく。見た目的にも15歳は越えてるかしら……?」 涼「あ、うんー。私の三つ上だってー」 琴吹「と言うと、18? ……いやいや、18でセキュリティが作れるって……。凄い人材がウチに入ってきたわね」 涼「んー。彼から聞いた話だと、親代わりの人から色んなことを教わったって聞いたよー?」 琴吹「親代わり? と言うことは……、……そう言うことか」 涼「……。詳しくは彼に聞いてみないと分かんないけど、草薙事務所に来てからは一杯頑張ってくれてるよー。同期として、私も鼻が高いねー」 琴吹「……」 涼「……琴吹さん?」 琴吹「なにかしら?」 涼「いや、何でそんな微笑ましそうにみてくるのかなーって」 琴吹「だって、あなた、彼のことを楽しそうに話すから」 涼「……へっ!?」 琴吹「成る程成る程。そう言うことか。ふふ……。いいじゃないの。ハイスペック同士、お似合いだと思うわよ?」 涼「あの……っ! その……っ! えと……っ!」 琴吹「彼とはまだ?」 涼「その……、……私の片想い……です……」 琴吹「あら、てっきりもう付き合ってるのかと」 涼「ま、まだだよぉ……! 好きだって自覚したのも……結構、最近だし……」 琴吹「そうなの? なにかきっかけとかあったの?」 涼「きっかけは……沢山あるの……。初めは、なんか雰囲気が弟に似てるなーって思った所から始まって、そこから……色々と助けて助けられてを……繰り返していって……。それで……気付いたら……そうなってたの……」 琴吹「そっかそっか」 涼「うぅー! 恥ずかしいよぉ……!」←真っ赤な顔を布団で隠す 琴吹「あら、別に恋することは恥ずかしいことじゃないわよ。私だって現に草薙所長に恋してるし」 涼「琴吹さんのは、大人の恋だもん! それに比べたら、私のなんて、まだまだ子供だよー!」 琴吹「……恋に大人も子供も関係ないと思うけど。でも、そっか。涼ちゃんもついにか。そっかそっか」 涼「……なんでそんな嬉しそうな声出すの?」 琴吹「えー? だって涼ちゃんってば、私にとっては妹みたいなものだし。それに、涼ちゃん、今まで男の子が言い寄ってきても、全く相手にしてなかったから……」 涼「そ、それは……近寄ってくる男の子は皆、なんか軽い感じがして……。それに比べて詩方くんは……その……誠実って言うか、律儀って言うか……」 琴吹「……そうねぇ。……」 ーー行くとこないなら、草薙事務所に行く? 話は私があの人に付けとくからさ。あそこ、ちょうど人手不足だって言ってたし、ちょうどいいかもよ?ーー 琴吹(……少し、あの人に似てたな……) 涼「琴吹さん?」 琴吹「なんでもない。もう寝ようか」 涼「うん。お休みなさい」 琴吹「お休み、涼ちゃん」
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