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詩方「ここが……」
涼「はいー、天狼山ですねー。でも、ブラックベアーとは、そんなに準備をしなければ討伐出来ない魔物なんですかー? いかんせん、私は魔物については知識が乏しくてー……」
詩方「ブラックベアーが一匹だけなら、こんなに準備をする必要はなかったんですが……、もしかして、と言う不安もありますからね……。それよりも、涼さんもすみません。いくら手が空いてるからと言って、ここまで案内してもらって……」
涼「いえいえー。これからあなたにも一杯、お世話になると思いますし、ここで貸しでも作っておこうかと思ってますのでー」
詩方「ははは……。成程……」
涼「ふふっ。冗談ですよー。あと、同期ですし、詩方くんの方が歳上ですから、“涼さん”じゃなくて“涼”で構いませんよー? 私も詩方くんって呼びますからー」
詩方「え、でも、涼さんは俺よりも職歴長いですし……」
涼「まーまー。そんな堅苦しいのは無しでいきましょー。……それよりもー、いいんですかー? ここでのんびりしててー」
詩方「っと、そうだった! すみません、じゃあ、俺行きますね」
涼「私も行きますよー」
詩方「え!? でも、涼さん……」
涼「“涼”ですよー? ……それに、私をただのハウスキーパーと思わないことですよー?」
詩方「え……?」
涼「安心してくださいー。自分の身ぐらい自分で守れますよー。……ブラックベアーなんて、あの頃に比べたら敵じゃないよ……」
詩方「え?」
涼「なんでもありませんよー。さぁ、早く行きましょうー。先に行った華島さんが心配ですー」
詩方「そ、そうですね! 急ぎましょう!」
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