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ワノクニ大陸のとある町、ミナミマチという町にて。
詩方(うたかた)「えーと……師匠からもらった地図だと……、……ここか」←草薙(くさなぎ)事務所と書かれた看板が立ててある建物の前に立つ
ガチャ
受付の人「あら、いらっしゃい」
詩方「あ、えっと、今日からこちらで社員としてお世話になります、詩方と申しますが……」
受付の人「詩方……? え……? 誰それ……。……あ、もしかして新人の……? ……あっ! はい! 伺っておりますよ! えぇ、はい! 決して、忘れてた訳ではありません。たった今、思い出した訳ではありませんからね!?」
詩方「は、はぁ……」
詩方(絶対、忘れてたよな……)
受付の人「ちょっと待ってて下さいね!? 所長ーっ! 草薙所長ーっ! 例のあの人来ましたーっ!」
着物の男性「あぁ、はい、はい。そんな大きな声出さなくても聞こえてるから」←奥の部屋から出てくる
着物の男性「えーと、君がその?」
詩方「は、はいっ! 今日からお世話になります、詩方と言います。よろしくお願いします! (ペコッ)」
着物の男性「あぁ、夏蓮(かれん)から聞いてるよ。僕はここの所長の草薙(くさなぎ)と言うんだ。よろしくね」
詩方「は、はい! よろしくお願いします!」
着物の男性改め草薙「……しかしまぁ……」←詩方を足の爪先から、頭のてっぺんまで見る
詩方「な、何か……?」
草薙「腰のその刀は分かるけどね。今の世の中、魔物もわんさかいるし、他の人もそれぞれ違う得物持ってるしね。けどさ、そこまで堅っ苦しい格好しなくても大丈夫だよ」
詩方「え? 師匠……、夏蓮さんからはこの格好で行くようにって、前もって言われてましたが……」←黒いスラックスに白いワイシャツにネクタイ。おまけにベストまで着ている
草薙「ウチはフランクで、そこまで堅苦しくないと、こちらからも伝えていたのだけどね……。だからほら、僕だって着物だ。ウチで働く従業員は各々、好きな格好してるよ? ……まぁ、でも、華ちゃんはすっごい堅っ苦しい格好してるけど……」
詩方「えーと……」
草薙「まぁ、君はそれでいいか。それで、ほかの従業員なんだけどーー」
ガチャ! バァァァァン!!!
詩方「っ!?」
筋骨粒々な男性「おーい! 所長ーっ! 帰ったぜー!」
イケメンのオカマ「楽勝だったわよーん」
草薙「あー、おかえり、あっきー、姫ちゃん。あと、あっきー、その壊れた扉の修理費、給料から天引きね」
詩方(派手に扉壊されてるのに、凄い涼しい顔してる……。受付の人も驚いてないし……)
あっきーと呼ばれた男性「えぇーっ!?」
草薙「と言うか、君はそれで何回目だよ。僕も覚えてないくらいだよ。君の成長はどこまで続くんだい?」
詩方(覚えてないくらい壊してるんだ……)
あっきーと呼ばれた男性「んー、分からん! 日々成長。いい言葉じゃねぇか!」
姫ちゃんと呼ばれたイケメンのオカマ「それよりもー、その子は? 見ない顔だけどー、もしかして前に言ってた新人さんかしら?」
草薙「うん、そうだよ。今日からうちで働いてくれる、詩方君」
詩方「は、初めまして! 詩方と言います! よろしくお願いします!」
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