第一話

6/30
前へ
/379ページ
次へ
詩方「あ! どうも初めまして! 今日からお世話になります。詩方です。よろしくお願いします」 割烹着+三角巾の少女「あ、やっぱり~。私は涼(りょう)と言います。すみません、部屋のドアが開いていたので……」 詩方「ああ、いえ。こちらこそ開けっぱにしてしまって……、……。……あの」 涼「どうされましたかー?」 詩方「……すいません。気を悪くしてしまったら申し訳ないんですが、少々、聞いてもいいですか?」 涼「? はい、どうぞー」 詩方「……えっと……、涼さんって……おいくつですか?」 涼「……。……うふふー。では、詩方さんからはいくつに見えますかー?」 詩方「え!?」 涼「正直に答えてみてくださいー。大丈夫です、怒りませんからー」 詩方「は、はい……。……失礼を承知で申し上げます。……14、いえ、15くらい……ですか……?」 涼「わ、すごいですー。ピッタリ当たってますー」 詩方「では……」 涼「はいー。今年で15になりましたー。身長も低くて、顔もこの通りですので、よく12とか13とかに間違われることもしばしばありますが、実年齢をピッタリ当ててくれたのは、詩方さんが初めてですー」 詩方「でも、今年で15と言っても、明らかに俺よりは長くここに勤めてますよね? 一応、この国では15までは正式に企業団体やそう言った組織に、社員として雇うことは出来ないと聞いてますが……」 涼「あー、そうですね、その通りですー。今まではバイト扱いとして、ここで勤めてましたー。なので、正社員としては、今年からなので、詩方さんと同期ですねー」 詩方「でも、キャリア的には涼さんの方が上ですし、先輩には違いありません。これから色々とお世話になりますが、よろしくお願いします」 涼「はいー。……あ、そうだ。もし良ければ、この事務所の案内しましょうかー?」 詩方「あー……、お気持ちは嬉しいんですが、これから華島さんに仕事の説明をしてもらうことになってまして……」 涼「あ、華島さんと……。そうですかそうですかー。では、またの機会にですねー」 詩方「……すみません」 涼「いえいえー。では、改めて、これからよろしくです、詩方さん」 詩方「はい、よろしくお願いします」
/379ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加