不思議なBAR

1/1
前へ
/27ページ
次へ

不思議なBAR

若い立花には、それが何だか嬉しくて、何だか悔しかった。若い立花もニッコリと笑った。十年後の私なんかに負けたくなかったのだ。 そうこうするうちに、水晶玉の中身が白くなり始めた。十年後の立花は次第に姿を消し、最後には白いモヤがかかったように燻んでしまった。 「気は済んだかい?」金髪の老婆は頬杖をつきながら立花のことを見ていた。 「はい!ありがとうございました!」立花は老婆に向かって、深いお辞儀をした。 「フフ、そりゃ良かったよ」金髪の老婆は不敵な笑みを浮かべた。それはまるで魔女の笑みのようだった。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加