デイドリーム・ビリーバー

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ずっと。 デイドリーム・ビリーバー歌う忌野清志郎が頭から離れない。サビメロで、スっマホ、スマっホぉ〜って探してるんだけど一向に私のスマホは見つかる気配がない。 家電の親機はあったんだけど、風でたなびいてプラプラしてる先の電話線は繋がってないし。 だよねぇ。 どこんチのだよ~これ~とかブーブー言って、一応ぐりんぐりんの蜷局(とぐろ)巻きすぎて葡萄の房みたいになった受話器のコードを(ほど)く為に、パンっと叩いて逆回転グルグルグル~って回しながら、凧揚げするみたいに親機を揚げると綺麗に解けた。そのまま受話器を耳に当ててみると驚いたことに『ツー』音なってる!ファ?!……凧、じゃなくて親機あわてて手繰(たぐ)り寄せてダイヤルしてみる。 110番。3コール目になんと繋がる! 「110番緊急電話です。事件ですか?事故ですか?」って聞かれて「わ、わ、わ、分かりません!」って答えると「落ち着いてください」って言ってくるから「落ち続けてるんです!」って返した。「すいません。風の音が強すぎて良く聞き取れないんですが……」 「落ちて死ぬかもしんないんです!みんな!助けてください!」 「えっ……と、分かりました。すぐに急行させますので今居る場所は分かりますか?」 と聞かれて、あぁ。それな! 「分かりません!分かったらまた掛けます!」って言って電話をきる。 また受話器を耳に当てて今度は自分のスマホへ掛ける。頼む。圏外とかやめて。鳴ってくれ! うっし。コール音はしてる! ぶぼぼぼぼ、ばぼぼぼぼってうるさい中でスマホの着信音がどこかで鳴ってないか耳を凝らす。 シット!清志郎の歌、邪魔!なんでずっと頭ん中でループしてんだ? くるん。くるん。と空中でトルネード飛行しながらそれらしき物が視界に入らないか探す。 回転しながら落下してるいろんなものにスマホの影を探す。 ぶぼぼぼぼー…右見て左見て、くるん。 上を向いて右見て左見て、くるん。ばぼぼぼぼ。 下を向いて右見て左見て、くるん。 目が回る。 くるん。 くるん。 くるん…… …… うおぇ…… 気持ち悪くなってきた。
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