4人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
えっと……
なんかないかなって周り見渡して、お。いいもんあるじゃん。って、頭をそっちに向けて電話線の間から両腕だして降下する。
ぼぼぼぼぼー。
空中移動も慣れたら楽しい。
でも邪魔だな電話機。カランカラン言う。
両手で目当ての物をガッと捉えて、ふんっ。腹筋使って屈んだら、そのまま一回転してダンクシュー!って決めたくなる。けどゴールリングないから取った野球のグローブはめてバッと大の字になってブレーキ、ブレーキ!間に合わねーー!
どっかのウチの車のボンネット、ベコッ!って蹴って、クィックターン。
すぐさま、ピンクのシュルシュルが弧を描いて戻ってくるのを補足して、ピンクの軌道に合わせてぼぼぼぼぼーと飛んでいく。
意外にシュルシュルが速ーーい!
カランカラン絡まってる電話機ウザっ!
左腕むぐぐぅっ〜って伸ばして〜
空気抵抗最小にしながら横っ飛びーー!
間に合ってーー!
スライディーーンーーキャーー
──バシッ!
捕った!
捕りましたー。ランナーアウーーッツ!
グローブに収まったショッキングピンクを掲げる。
愛しの私のスマホちゃん!
会いたかったよう!
でもこれは、もちっと後で大丈夫。
またあとでね。
頬ずりしてちゅっちゅして、おしりのポッケに仕舞う。
例の謎が解ければ、自ずと助かる気がしてる。
だから、依頼の謎解きが終わるまでは、もう少しこのままでいよう。
全部解決できそうだ。
そんな予感がする。
最初のコメントを投稿しよう!