デイドリーム・ビリーバー

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えっと…… なんかないかなって周り見渡して、お。いいもんあるじゃん。って、頭をそっちに向けて電話線の間から両腕だして降下する。 ぼぼぼぼぼー。 空中移動も慣れたら楽しい。 でも邪魔だな電話機。カランカラン言う。 両手で目当ての物をガッと捉えて、ふんっ。腹筋使って屈んだら、そのまま一回転してダンクシュー!って決めたくなる。けどゴールリングないから取った野球のグローブはめてバッと大の字になってブレーキ、ブレーキ!間に合わねーー! どっかのウチの車のボンネット、ベコッ!って蹴って、クィックターン。 すぐさま、ピンクのシュルシュルが弧を描いて戻ってくるのを補足して、ピンクの軌道に合わせてぼぼぼぼぼーと飛んでいく。 意外にシュルシュルが速ーーい! カランカラン絡まってる電話機ウザっ! 左腕むぐぐぅっ〜って伸ばして〜 空気抵抗最小にしながら横っ飛びーー! 間に合ってーー! スライディーーンーーキャーー ──バシッ! 捕った! 捕りましたー。ランナーアウーーッツ! グローブに収まったショッキングピンクを掲げる。 愛しの私のスマホちゃん! 会いたかったよう! でもこれは、もちっと後で大丈夫。 またあとでね。 頬ずりしてちゅっちゅして、おしりのポッケに仕舞う。 例の謎が解ければ、自ずと助かる気がしてる。 だから、依頼の謎解きが終わるまでは、もう少しこのままでいよう。 全部解決できそうだ。 そんな予感がする。
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