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数ヶ月前、妻の美波はSNSのアカウントに届いたダイレクトメッセージを興奮した様子で見せてきた。
「ねぇねぇ、コレ!どう思う?!」
瞳を輝かせ、紅潮した頬はまるで少女のようだった。メッセージは展示会へのお誘いだった。
「どうしよう?! 私にお誘いなんて、怪しいヤツかな?! どうしたら良い?!」
美波が趣味で絵を描き始めてから二年弱。彼女は貪欲に勉強したし、沢山練習を重ねた。彼女の作品が出来る度、その成長ぶりに驚かされた。
素人の僕から見てもデッサンが明らかに上手くなり、元来持っていた色彩感覚の良さが更に際立つようになった。彼女の描く人物はどれもみんな、どこかしら凛としていて夢や希望を感じさせる。僕はファンナンバー第一号を自認している。
初めて間もないSNSでは、フォロワー数も増え続けあっという間に五百人に迫ろうとしていた。展示会の誘いがあったとしても何の不思議もなかったけれど、念の為、怪しい団体でないかだけ調べてみた。
「過去に開催した展示会とか見ても、大丈夫そうだよ?」
「ホントに? どうしよう?! やっても良いのかな?」
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